病理診断科

宮﨑 龍彦
科長
宮﨑 龍彦

病理診断とは、臨床医が採取した患者さんの体の一部から顕微鏡標本を作製し、形態学的な特徴や特徴的な分子の同定などを通して病気の最終診断をつける作業です。ここでいう体の一部とは、手術で大きく切除してきた臓器全体のこともありますし、生検で採取してきた僅かな組織のこともあります。また、脱落してきた細胞を対象に良悪性のスクリーニングを行う細胞診という手法もあります。
病理診断は医師が行う医療行為として規定されており、病理診断科は内科・外科と並んで基本的な19診療科のひとつに数えられています。病理診断を専門とする専門医の制度も定められています。

主な疾患・診療内容

病理組織診断

病理診断では、まず採取された組織の肉眼所見を詳細に観察し、病変がどこにあるか、どのような病変であるのかを見極めて、診断に必要な部分を切り出し、それを数ミクロンの薄さに切ってスライドガラスに張り付け、種々の染色を行って標本とし、これを病理医が観察して診断を下します。一般的な染色による形態学的診断は、もっとも安価に病気の最終診断に行き着く手段の一つです。

病理組織診断

病理診断では、まず採取された組織の肉眼所見を詳細に観察し、病変がどこにあるか、どのような病変であるのかを見極めて、診断に必要な部分を切り出し、それを数ミクロンの薄さに切ってスライドガラスに張り付け、種々の染色を行って標本とし、これを病理医が観察して診断を下します。一般的な染色による形態学的診断は、もっとも安価に病気の最終診断に行き着く手段の一つです。

最新の技術によるさらに精度の高い診断

一般的な染色による形態診断には限界があります。そこで、分子生物学的な手法を用いてさらに診断精度を高めています。
まずは免疫組織化学染色。これは、組織標本上に特定のタンパク質が存在するかどうか、どれぐらい存在するのかを確認する方法で、病理診断では日常的に使われています。岐阜大学医学部附属病院病理部・病理診断科では、免疫組織化学染色の自動化を進めており、自動免疫染色装置3台がフル稼働し、年間数千件の免疫組織化学染色を行って、より質の高い診断に活かしています。
また、病気に特異的な遺伝子の鋳型(mRNA)が細胞内にあるかどうかを調べるIn situ ハイブリダイゼーションという方法も常時行っています。この方法により、診断を確定するだけではなく、病気の原因となる遺伝子をターゲットにした治療(分子標的治療)が使えるかどうかも明らかにしています。このような診断手法を「コンパニオン診断」といいます。
さらに、パラフィン包埋組織からDNAやRNAを抽出して、特定の病気に特異的な遺伝子の変化(変異や多型)、病気に特異的なmRNAがどれだけあるかを定性的・定量的に評価する方法(PCR, RT-PCR)を行うための高速遠心機、サーマルサイクラー、DNA抽出機、電気泳動装置、泳動撮影装置など先進的な機器、システムも稼働しています。

最新の技術によるさらに精度の高い診断

一般的な染色による形態診断には限界があります。そこで、分子生物学的な手法を用いてさらに診断精度を高めています。
まずは免疫組織化学染色。これは、組織標本上に特定のタンパク質が存在するかどうか、どれぐらい存在するのかを確認する方法で、病理診断では日常的に使われています。岐阜大学医学部附属病院病理部・病理診断科では、免疫組織化学染色の自動化を進めており、自動免疫染色装置3台がフル稼働し、年間数千件の免疫組織化学染色を行って、より質の高い診断に活かしています。
また、病気に特異的な遺伝子の鋳型(mRNA)が細胞内にあるかどうかを調べるIn situ ハイブリダイゼーションという方法も常時行っています。この方法により、診断を確定するだけではなく、病気の原因となる遺伝子をターゲットにした治療(分子標的治療)が使えるかどうかも明らかにしています。このような診断手法を「コンパニオン診断」といいます。
さらに、パラフィン包埋組織からDNAやRNAを抽出して、特定の病気に特異的な遺伝子の変化(変異や多型)、病気に特異的なmRNAがどれだけあるかを定性的・定量的に評価する方法(PCR, RT-PCR)を行うための高速遠心機、サーマルサイクラー、DNA抽出機、電気泳動装置、泳動撮影装置など先進的な機器、システムも稼働しています。

セカンドオピニオン

外来枠をもうけ、病理医との面談を希望する患者さんが病理診断の中身について詳細な説明を受けたり、セカンドオピニオンを聴いたりすることができるようになっています。このセカンドオピニオン外来は、週一回、月曜日の午後に枠を設けています。この外来は保険診療外となりますので、別途経費が必要です。
また、他院で下された病理診断のセカンドオピニオンを受けたいけれど、わざわざ病理医の難しい話を聞くのも・・・と思われる方は、前医の標本を借り出して当院診療科の医師に預託して下さい。それらの標本を当院病理診断科の専門医がレビューし、診断核心の部分の顕微鏡写真を添えて診療科の医師に報告しますので、診療科の医師から病理診断のセカンドオピニオンも聴くことができます。
病理診断セカンドオピニオンにあたって、病理形態のみでは診断が困難な場合、前医標本から免疫組織化学染色をはじめ先進的な分子病理学的検索を当院病理部・病理診断科で行って詳細に解析し、より精度の高い診断結果を提供しています。
他院で診断を受けた病理標本をもとに、先進的な治療のためのコンパニオン診断を当院で行って、治療適応を明らかにし、当院での先進的な治療を実施することも行っています。

セカンドオピニオン

外来枠をもうけ、病理医との面談を希望する患者さんが病理診断の中身について詳細な説明を受けたり、セカンドオピニオンを聴いたりすることができるようになっています。このセカンドオピニオン外来は、週一回、月曜日の午後に枠を設けています。この外来は保険診療外となりますので、別途経費が必要です。
また、他院で下された病理診断のセカンドオピニオンを受けたいけれど、わざわざ病理医の難しい話を聞くのも・・・と思われる方は、前医の標本を借り出して当院診療科の医師に預託して下さい。それらの標本を当院病理診断科の専門医がレビューし、診断核心の部分の顕微鏡写真を添えて診療科の医師に報告しますので、診療科の医師から病理診断のセカンドオピニオンも聴くことができます。
病理診断セカンドオピニオンにあたって、病理形態のみでは診断が困難な場合、前医標本から免疫組織化学染色をはじめ先進的な分子病理学的検索を当院病理部・病理診断科で行って詳細に解析し、より精度の高い診断結果を提供しています。
他院で診断を受けた病理標本をもとに、先進的な治療のためのコンパニオン診断を当院で行って、治療適応を明らかにし、当院での先進的な治療を実施することも行っています。

病理形態所見の電子化

顕微鏡写真の撮影など重要な所見については、デジタル顕微鏡カメラによって病変組織の決定的な部分を撮影するなど病理形態所見を電子化してカルテ上で共有することを実践しています。
さらに、バーチャルスライドシステム(詳細な顕微鏡画像を網羅的に撮影してソフトウェアでタイリングする装置。グーグルアースを標本上で行ったと想像して下さい)を駆使して、重要な組織標本を丸ごと詳細に電子化して臨床とのカンファレンスや研究会、学会、教育用にも役立てています。

病理形態所見の電子化

顕微鏡写真の撮影など重要な所見については、デジタル顕微鏡カメラによって病変組織の決定的な部分を撮影するなど病理形態所見を電子化してカルテ上で共有することを実践しています。
さらに、バーチャルスライドシステム(詳細な顕微鏡画像を網羅的に撮影してソフトウェアでタイリングする装置。グーグルアースを標本上で行ったと想像して下さい)を駆使して、重要な組織標本を丸ごと詳細に電子化して臨床とのカンファレンスや研究会、学会、教育用にも役立てています。

若手医師の育成

教育活動として、ポリクリの指導、研修医のローテート研修を分担し、さらに病理専攻医(病理専門医を目指す若手医師)の教育には中心的な役割を果たしています。
現在、病理専門医を目指す若手医師8名、口腔病理専門歯科医を目指す歯科医2名が研鑽を積んでいます。さらに、臨床検査技師の育成、細胞診スクリーナーの育成にも力を入れており、臨床検査技師8名中7名はスクリーナー資格を取得、1名(新人)も資格取得を目指して研鑽中です。また、新しく制度ができた認定病理技師の資格試験にも合格者を出しました。

若手医師の育成

教育活動として、ポリクリの指導、研修医のローテート研修を分担し、さらに病理専攻医(病理専門医を目指す若手医師)の教育には中心的な役割を果たしています。
現在、病理専門医を目指す若手医師8名、口腔病理専門歯科医を目指す歯科医2名が研鑽を積んでいます。さらに、臨床検査技師の育成、細胞診スクリーナーの育成にも力を入れており、臨床検査技師8名中7名はスクリーナー資格を取得、1名(新人)も資格取得を目指して研鑽中です。また、新しく制度ができた認定病理技師の資格試験にも合格者を出しました。

若手育成のための環境の整備

これらのテクニックを教育に活かし、病理形態学的所見との対比、そして形態学の修練のために10人が一度に検鏡できるディスカッション顕微鏡システム、さらにほぼ4Kの解像度を持つデジタル顕微鏡カメラと、60インチの4Kディスプレイを組み合わせた最新のカンファレンスシステムが稼働を開始しました。このシステムのおかげで、若手が増えて部屋に収まらないほどの人数が参加するカンファレンスや勉強会でも参加者みなが高解像度の顕微鏡画像を共有してディスカッションできるようになりました。
このような充実した業務内容が功を奏してか、これまで敬遠されていた病理診断学を志す若手が毎年集まるようになり、今後も東海地区に於ける病理医の育成に中核的な役割を果たすことができそうです。

若手育成のための環境の整備

これらのテクニックを教育に活かし、病理形態学的所見との対比、そして形態学の修練のために10人が一度に検鏡できるディスカッション顕微鏡システム、さらにほぼ4Kの解像度を持つデジタル顕微鏡カメラと、60インチの4Kディスプレイを組み合わせた最新のカンファレンスシステムが稼働を開始しました。このシステムのおかげで、若手が増えて部屋に収まらないほどの人数が参加するカンファレンスや勉強会でも参加者みなが高解像度の顕微鏡画像を共有してディスカッションできるようになりました。
このような充実した業務内容が功を奏してか、これまで敬遠されていた病理診断学を志す若手が毎年集まるようになり、今後も東海地区に於ける病理医の育成に中核的な役割を果たすことができそうです。