眼科 久冨 智朗

Vol.61

2026.02.28

新任紹介

眼科 久冨 智朗

見えない膜を可視化し、手術の未来を拓く。
岐阜から世界へ、次世代を導く「匠」の精神を。

     私の原点は小学生時代、天体観測に夢中になり、望遠鏡の自作に没頭した経験にあります。製作中に指に刺さった棘を、眼科医だった父の医療用顕微鏡で覗きながら抜いた際、赤血球が流れるミクロの世界に衝撃を受けました。
     これまで研究面では、網膜硝子体手術を劇的に進化させる手術補助剤「Brilliant Blue G(BBG)」の実用化に注力してきました。かつては熟練の技術が不可欠だった透明な膜の処理を、この薬で一時的に青く染めて可視化することで、安全かつ確実、そして短時間での手術が可能となりました 。現在、このBBGは世界94カ国以上で190万人を超える患者さんの視力を救う一助となっています。次なる課題として、網膜に直接触れずに膜を回収できるゲル状補助剤の研究や、岐阜・関の伝統技術である「刃物」を応用した精密な手術器具の開発など、さらなる革新に挑んでいます。
     人間の得る情報の約8割は視覚由来と言われるほど、目は生活の質(QOL)に直結する重要な器官です。そして岐阜大学は、名古屋大学との連携や産官学の強力なネットワークを持つ、研究開発に極めて適した環境です。私はこの地で、臨床の疑問を研究で解決し、再び患者さんに還元する「クリニシアン・サイエンティスト」を育てたいと考えています。地域医療に根差しつつ、世界を視野に共に挑戦していけることを楽しみにしています。
    担当
    網膜硝子体疾患、白内障、緑内障、眼科一般

    専門医等
    眼科専門医、医学博士


教えてくれた人・・・
眼科 科長
  1. 久冨 智朗 先生

  2. 岐阜大学医学部附属病院 眼科