本検査は母体血を用いた赤ちゃんの染色体検査で、対象となる疾患は染色体の数的異常(21 トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)のみです。確定検査ではなく、羊水検査の代わりになるものではありません。羊水検査では判明しますがこの検査では判明しない染色体の変化もあります。採血のみで行えるために流産リスクを伴う羊水検査を回避できるという側面があります。
当院では、日本産科婦人科学会の指針やNIPTコンソーシアムの方針に則って臨床研究として検査を実施します。
受け入れ人数に限りがあるため、希望者全員が検査を受けて頂けるわけではないことをご理解ください。外来日の希望や遠方からの来院による便宜を図ることはできません。
母体血を用いた出生前遺伝学的検査(母体血胎児染色体検査:NIPT)のご案内
検査を希望される方へ
はじめに
対象の方
母体血を用いた出生前遺伝学的検査(母体血胎児染色体検査:NIPT)を希望する妊婦さんのうち、以下の条件を満たす方。
- 妊娠10週以降の妊婦さん
- 以下のいずれかに該当する方
(「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針」(日本産科婦人科学会、日本医学会)より)
- 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
- 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された方
- 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある方
- 高齢妊娠の方(分娩時35歳以上)
- 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される方
注)多胎妊娠の場合は事前にご相談ください。
外来日と費用
◯当院において、はじめてこの検査を受検される方
当院においてこの検査を受検される方は、最低3回の受診が必要で、特に第2回目は夫婦そろって来院いただきます。曜日は担当医師の学会出席や出張によって変更させていただく場合があります。
受診回数 | 外来日 | 費用 |
---|---|---|
第1回目 (なるべく12週まで) |
産婦人科 (火曜日午前) |
産婦人科での妊婦検査料 (自費:費用は妊婦さんによって異なります。) |
第2回目 (妊娠10週~13週頃) |
ゲノム疾患・遺伝子診療センター (木曜日) |
遺伝カウンセリング料、(検査を実施する場合)NIPT検査料 |
第3回目 (検査から約2週間後) |
ゲノム疾患・遺伝子診療センター (金曜日午前) |
検査を実施した場合)遺伝カウンセリング料 |
合計 | 産婦人科での妊婦検査料(自費)+約21万円 |
上記は令和元年10月現在の料金です。今後改定することもあります。
第1回目受診...なるべく12週まで
- 現在通院している医療機関(かかりつけ産婦人科医)から、産婦人科の母体血胎児染色体検査(NIPT外来)枠の初診予約をして下さい
- 予約日時に、産婦人科へ紹介状・母子手帳・健康保険証等を持参のうえお越し下さい。
- 検査の条件に当てはまるかどうか、胎児の状態を確認させていただいた後、次回の予約をとります。
第2回目受診...妊娠10週~13週頃
- ゲノム疾患・遺伝子診療センターにて臨床遺伝専門医と遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングを行います。本検査の実施にあたっては、妊婦さん本人だけでなく、その配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)に検査前後の遺伝カウンセリングを行い、同意していただいた場合に採血を行います。
- 遺伝カウンセリング後に採血を行います。
第3回目受診...検査から約2週間後
- 検査結果のご報告をします。
◯過去に本院において、この検査を受検されたことがある方
過去に本院においてこの検査を受検されたことがある方は、従来の第1回目(産婦人科での妊婦検査)と第2回目(遺伝カウンセリング、採血(検査を実施する場合))の受診を同日に実施することも可能です。ご希望の際にはその旨を現在通院している医療機関(かかりつけ産婦人科医)にお伝えください。なお、同日実施の有無にかかわらず、検査等にかかる費用は変わりません。また、同日で実施する場合には、初日に遺伝カウンセリングを行うため、夫婦そろって来院いただきます。
注意事項・その他
診察予約をするにあたり、多少、お日にちをいただくことがございます。ご了承下さい。
必ず、現在通院している医療機関を通じて予約をして下さい。医療機関を通じた予約の方のみ対応しており、妊婦さん個人やご家族からのお電話での予約や受診の問い合わせには対応しておりません。