炎症性腸疾患センター

清水 雅仁
センター長
清水 雅仁
髙橋 孝夫
副センター長
髙橋 孝夫

炎症性腸疾患(IBD)とは

炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は、慢性あるいは寛解・再燃を繰り返す腸管の炎症性疾患です。一般に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを意味します。

炎症性腸疾患(IBD)とは

炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は、慢性あるいは寛解・再燃を繰り返す腸管の炎症性疾患です。一般に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを意味します。

診療

・現状
2020年の時点で潰瘍性大腸炎約330名、クローン病約130名の患者さんが通院されています。消化器外科と消化器内科は連携していますので、内科的治療が奏効しない患者さんは常に消化器外科に相談する流れはできています。外科では炎症性腸疾患症例の術後follow upやクローン病の難治性痔瘻の患者さんが通院されています。
・外来担当
火曜日午前に炎症性腸疾患専門外来(初診)を行っています。他院からご紹介いただく場合は紹介状を作成して頂き、病診連携を通して受診予約をお願いいたします。簡単なもので結構ですので、なるべく紹介状を作成していただいて、受診をお申し込み下さい。
また月曜日から金曜日までの午前に消化器内科初診外来を行っています。消化器内科専門医が担当しますので、患者さんのご都合にあわせてこちらに予約していただいても構いません。また緊急の際にも、消化器内科初診外来にて対応いたします。
消化器外科は炎症性腸疾患専門外来(初診)を月曜日午後に行っています。また月、水、金の午前には消化器外科 小腸・大腸担当医が外来を行っています。専門医外来受診希望の方はかかりつけ医の先生からの病歴や最新の検査データを含めた紹介状を持参していだき、受診されますことを推奨いたします。また病院の先生や開業医の先生方で相談症例や困られている症例がございましたら気軽に当IBDセンターにご相談ください。
・行っている内科的治療
クローン病の治療:主な内科治療法としては、薬物療法と栄養療法があります。従来、薬物治療として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤やステロイド剤による治療が行われてきました。現在、生物学的製剤が用いられるようになり、患者さんの生活の質(QOL)は大きく向上しています。当院では適応があれば、生物学的製剤を積極的に導入しており、同剤を使用している患者さんは増加しています。腸管の狭窄に対しては、外科手術以外に内視鏡を用いた内視鏡的バルーン拡張術も施行します。
潰瘍性大腸炎の治療:患者さんの症状の強さや病変範囲に応じて治療を決定します。薬物治療は5-ASA製剤が中心となりますが、効果が不十分な場合には、ステロイド剤が用いられます。ステロイドは症状軽快後には、なるべく早く中止するようにし、ステロイド依存にならないように心掛けています。ステロイド抵抗性や依存性の患者さんには、免疫調節薬(アザチオプリンや6-MPなど)の併用を選択します。副作用が出やすい薬剤ですが、事前にNUDT15遺伝子多型を調べることで投与量を調整し、有害事象を抑えるように工夫しています。難治性の患者さんには、タクロリムスや生物学的製剤の投与を検討します。当院はタクロリムスの血中濃度を院内で測定可能です。2018年以降、潰瘍性大腸炎に対しては新規の生物学的製剤や低分子化合物が次々に承認されています。当院では、従来の治療では効果を認めなくなったステロイド抵抗性や依存性の難治性潰瘍性大腸炎に対し、寛解維持をめざしてこれらの薬剤を積極的に用いており、その有用性も確認しています。
血球成分除去療法:難治性潰瘍性大腸炎の患者さんと、一部の大腸型クローン病の患者さんを対象として行っています。薬剤の副作用がほとんどない治療として安全に施行しています。治療は従来の週1回の場合から、患者さんの状態や希望に合わせて、週3回まで施行回数を増やしています。これにより治療効果発現までの期間の短縮が得られています。
・外科治療
潰瘍性大腸炎に関しましては、当院での手術症例はColitis associated cancerと言いまして、潰瘍性大腸炎をベースに、大腸癌が発生することがあり、それに対する手術を積極的に施行しています。上記のように大腸全摘術を必要とする場合が多いですが、これらを腹腔鏡下に手術を行うことが多いです。特に腹腔鏡による大腸全摘・回腸嚢肛門吻合(hand-sewn IPAA)や大腸全摘・回腸嚢肛門管吻合(stapled IPAA)といった低侵襲で、整容性にも優れた肛門温存術を行っています。
 クローン病に関しましても、難治性痔瘻に対するシートン法や内科的治療で奏効しない狭窄例や腸管瘻孔例に対し、できるだけ腹腔鏡で対応するようにしています。
・治験
炎症性腸疾患に関しては治験も行っています。現在、炎症性腸疾患に対して効果的な薬剤が多く登場していますが、それでもすべての患者さんに効果があるわけではありません。なかには、日本で保険適応となっている全ての薬剤を使用しても症状が改善されない患者さんもおられます。治験によって生み出される新しい薬剤は、そうした難治の患者様の希望となります。治験について興味のある方は、担当医にお尋ねください。

診療

・現状
2020年の時点で潰瘍性大腸炎約330名、クローン病約130名の患者さんが通院されています。消化器外科と消化器内科は連携していますので、内科的治療が奏効しない患者さんは常に消化器外科に相談する流れはできています。外科では炎症性腸疾患症例の術後follow upやクローン病の難治性痔瘻の患者さんが通院されています。
・外来担当
火曜日午前に炎症性腸疾患専門外来(初診)を行っています。他院からご紹介いただく場合は紹介状を作成して頂き、病診連携を通して受診予約をお願いいたします。簡単なもので結構ですので、なるべく紹介状を作成していただいて、受診をお申し込み下さい。
また月曜日から金曜日までの午前に消化器内科初診外来を行っています。消化器内科専門医が担当しますので、患者さんのご都合にあわせてこちらに予約していただいても構いません。また緊急の際にも、消化器内科初診外来にて対応いたします。
消化器外科は炎症性腸疾患専門外来(初診)を月曜日午後に行っています。また月、水、金の午前には消化器外科 小腸・大腸担当医が外来を行っています。専門医外来受診希望の方はかかりつけ医の先生からの病歴や最新の検査データを含めた紹介状を持参していだき、受診されますことを推奨いたします。また病院の先生や開業医の先生方で相談症例や困られている症例がございましたら気軽に当IBDセンターにご相談ください。
・行っている内科的治療
クローン病の治療:主な内科治療法としては、薬物療法と栄養療法があります。従来、薬物治療として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤やステロイド剤による治療が行われてきました。現在、生物学的製剤が用いられるようになり、患者さんの生活の質(QOL)は大きく向上しています。当院では適応があれば、生物学的製剤を積極的に導入しており、同剤を使用している患者さんは増加しています。腸管の狭窄に対しては、外科手術以外に内視鏡を用いた内視鏡的バルーン拡張術も施行します。
潰瘍性大腸炎の治療:患者さんの症状の強さや病変範囲に応じて治療を決定します。薬物治療は5-ASA製剤が中心となりますが、効果が不十分な場合には、ステロイド剤が用いられます。ステロイドは症状軽快後には、なるべく早く中止するようにし、ステロイド依存にならないように心掛けています。ステロイド抵抗性や依存性の患者さんには、免疫調節薬(アザチオプリンや6-MPなど)の併用を選択します。副作用が出やすい薬剤ですが、事前にNUDT15遺伝子多型を調べることで投与量を調整し、有害事象を抑えるように工夫しています。難治性の患者さんには、タクロリムスや生物学的製剤の投与を検討します。当院はタクロリムスの血中濃度を院内で測定可能です。2018年以降、潰瘍性大腸炎に対しては新規の生物学的製剤や低分子化合物が次々に承認されています。当院では、従来の治療では効果を認めなくなったステロイド抵抗性や依存性の難治性潰瘍性大腸炎に対し、寛解維持をめざしてこれらの薬剤を積極的に用いており、その有用性も確認しています。
血球成分除去療法:難治性潰瘍性大腸炎の患者さんと、一部の大腸型クローン病の患者さんを対象として行っています。薬剤の副作用がほとんどない治療として安全に施行しています。治療は従来の週1回の場合から、患者さんの状態や希望に合わせて、週3回まで施行回数を増やしています。これにより治療効果発現までの期間の短縮が得られています。
・外科治療
潰瘍性大腸炎に関しましては、当院での手術症例はColitis associated cancerと言いまして、潰瘍性大腸炎をベースに、大腸癌が発生することがあり、それに対する手術を積極的に施行しています。上記のように大腸全摘術を必要とする場合が多いですが、これらを腹腔鏡下に手術を行うことが多いです。特に腹腔鏡による大腸全摘・回腸嚢肛門吻合(hand-sewn IPAA)や大腸全摘・回腸嚢肛門管吻合(stapled IPAA)といった低侵襲で、整容性にも優れた肛門温存術を行っています。
 クローン病に関しましても、難治性痔瘻に対するシートン法や内科的治療で奏効しない狭窄例や腸管瘻孔例に対し、できるだけ腹腔鏡で対応するようにしています。
・治験
炎症性腸疾患に関しては治験も行っています。現在、炎症性腸疾患に対して効果的な薬剤が多く登場していますが、それでもすべての患者さんに効果があるわけではありません。なかには、日本で保険適応となっている全ての薬剤を使用しても症状が改善されない患者さんもおられます。治験によって生み出される新しい薬剤は、そうした難治の患者様の希望となります。治験について興味のある方は、担当医にお尋ねください。

当センターの特徴

各診療科との連携が整っています。生物学的製剤の使用中は、合併症や副作用対策も重要です。特に呼吸器関連の症状に関しては呼吸器内科と連携して、正確な全身状態の把握、また早期の対応に努めています。さらには炎症性腸疾患では、関節症状や皮膚症状など腸管外合併症を認めることも特徴です。当院ではこれらの腸管合併症に対して整形外科、皮膚科の診療を受けることが可能です。
内科的治療による病状コントロールが困難な場合では、消化器外科による手術治療が必要になります。当院ではカンファレンスや症例検討会を通じて、特に消化器内科と消化器外科が連携・協力することで、個々の炎症性腸疾患患者さんに最適な医療を提供しています。外科的には上述しましたように、腹腔鏡による低侵襲手術に努めています。また、大腸全摘術を施行する場合でも、肛門温存術に力を注いでいます。そして、潰瘍性大腸炎やクローン病を長期間罹患しますと大腸癌や痔瘻癌が発生することがあります。この場合、癌の根治性を考慮した治療方針を総合的に判断しています。
 また、当院の炎症性腸疾患センターはチーム医療でひとりの患者さんを多職種で良い医療を提供できるよう努力しています。内科的治療においては消化器内科、そして小児の炎症性腸疾患症例に対しては小児科の医師が、そして大腸全摘術など外科治療は消化器外科の医師が、内科外科合同で治療方針を決定します。生物学的製剤など薬物治療に関しては薬剤部が積極的に関わります。そして看護師はIBD患者さんのケアを積極的に行います。栄養状態不良症例や食事療法・指導も大切な治療の一環ですので栄養サポートチームとしてNSTも積極的に関与します。難病としての社会的サポートに関してはソーシャルワーカーや医療連携室や事務もIBD患者さんの皆様方が生活しやすいようにサポートできる体制を整えています。安心して岐阜大学病院IBDセンターで治療を受けてください。

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当センターの特徴

各診療科との連携が整っています。生物学的製剤の使用中は、合併症や副作用対策も重要です。特に呼吸器関連の症状に関しては呼吸器内科と連携して、正確な全身状態の把握、また早期の対応に努めています。さらには炎症性腸疾患では、関節症状や皮膚症状など腸管外合併症を認めることも特徴です。当院ではこれらの腸管合併症に対して整形外科、皮膚科の診療を受けることが可能です。
内科的治療による病状コントロールが困難な場合では、消化器外科による手術治療が必要になります。当院ではカンファレンスや症例検討会を通じて、特に消化器内科と消化器外科が連携・協力することで、個々の炎症性腸疾患患者さんに最適な医療を提供しています。外科的には上述しましたように、腹腔鏡による低侵襲手術に努めています。また、大腸全摘術を施行する場合でも、肛門温存術に力を注いでいます。そして、潰瘍性大腸炎やクローン病を長期間罹患しますと大腸癌や痔瘻癌が発生することがあります。この場合、癌の根治性を考慮した治療方針を総合的に判断しています。
 また、当院の炎症性腸疾患センターはチーム医療でひとりの患者さんを多職種で良い医療を提供できるよう努力しています。内科的治療においては消化器内科、そして小児の炎症性腸疾患症例に対しては小児科の医師が、そして大腸全摘術など外科治療は消化器外科の医師が、内科外科合同で治療方針を決定します。生物学的製剤など薬物治療に関しては薬剤部が積極的に関わります。そして看護師はIBD患者さんのケアを積極的に行います。栄養状態不良症例や食事療法・指導も大切な治療の一環ですので栄養サポートチームとしてNSTも積極的に関与します。難病としての社会的サポートに関してはソーシャルワーカーや医療連携室や事務もIBD患者さんの皆様方が生活しやすいようにサポートできる体制を整えています。安心して岐阜大学病院IBDセンターで治療を受けてください。

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