患者、家族並びに地域住民に対する情報提供、講習及び啓発活動に取り組みます。
アレルギーセンターでは市民公開講座を定期的に行っています。
その他にアレルギーの患者さん向けの情報よくある質問を掲載しています。

市民公開講座のご案内

このイベントは終了しました。

講演1こどものアトピー性皮膚炎と食物アレルギー

講演2大人のアレルギー疾患 ~あまり知られていない疾患から最新の治療まで~

開催日時
令和5年11月23日(木・祝) 14:00~16:00
開催場所
Zoom Webinar による オンライン開催
参加費
無料
対象者
患者さんやご家族、 アレルギーに関心のある方

主なアレルギー疾患

気管支ぜん息

気管支ぜん息

発作性に気道が狭くなって、咳やゼーゼーヒューヒューというような呼吸の音、呼吸困難を繰り返す病気ですが、その背景には気道の慢性の炎症があります。適切なコントロールがなされないと、場合によっては命に関わることもあります。必要な方には、慢性の炎症をおさえていくための日常管理を適切に行います。重い方にはさらに気道の炎症に関わる特定の物質をおさえる生物学的製剤なども使われはじめています。
アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴った湿疹があって、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。 皮膚の"バリア機能"(外からのさまざまな刺激、乾燥などから体の内を保護する機能)が低下していることが原因と考えられています。炎症を適切におさえていくような軟膏の治療、スキンケア、環境整備が主体ですが、皮膚の炎症に関わる特定の物質をおさえる生物学的製剤なども使われはじめています。
アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎

発作性で反復性のくしゃみ、鼻水(水様性)、鼻詰まりを3主徴とする、鼻粘膜のアレルギーの疾患です。ダニやペットの毛などによる通年性のものと、花粉などによる季節性のものがあります。飲み薬による治療や点鼻薬による治療、重症例には手術による治療などを行います。スギとダニによるものは舌下免疫療法が行われるようになっています。
アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎

抗原により引き起こされる自覚症状・他覚所見を伴うアレルギー反応による結膜の炎症がアレルギー性結膜疾患です。特に結膜の粘膜の増殖が見られるものを春季カタルと呼びます。点眼薬、眼軟膏、内服薬などが用いられますが重い場合には外科的な治療を行うこともあります。
花粉症

花粉症

アレルギー性鼻炎や結膜炎のうち、花粉によって起こるものを花粉症と呼んでいます。点鼻・点眼薬や内服薬による治療の他に重症花粉症に対する注射の薬なども使われるようになっています。
食物アレルギー

食物アレルギー

食べ物によって生体にとって不利益な症状がおこるもののうち、特定の食べ物に対する免疫反応が関わって起こる病気です。特にアナフィラキシーショックのような命に関わるような強い症状が起こることもあります。「正しい診断に基づいた必要最小限の除去」を目指して、適切な診断と管理が必要です。また、除去が必要な場合には、適切な栄養指導などが必要です。

よくある質問

回答

妊娠中は特定の食品を避ける事はせずに、バランスの良い食事を心がけてください。
妊娠中や授乳中に母親が特定の食品を避けることによって食物アレルギーを避けることができるのではないかと考えられて研究が進められました。しかし、様々な研究の結果から、アレルギー疾患の発症を予防する効果はないと考えられています。極端な食事制限は胎児や乳児の発育にも悪い影響を与えるかもしれません。バランスの良い食事をすることをお勧めします。

小児科 川本典生

回答

一定の影響はありますが、必ずアレルギーになるというわけではありません。
アレルギーには一定の遺伝的要素が関係しますが複数の遺伝的要因に加えて環境要因も複雑に絡み合って発症すると考えられます。食物アレルギーの家族歴があると食物アレルギーになりやすいという報告やアトピー性皮膚炎の家族歴があるとアトピー性皮膚炎になりやすいというような報告、気管支喘息の家族歴があると気管支喘息になりやすいという報告などがあります。ただしいずれも、必ずアレルギーになるというわけではありません。

小児科 川本典生

回答

母乳栄養には様々なメリットがありますが、母乳栄養だとアレルギーになりにくいとまではいえません。
母乳栄養と気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどとの関係を調べた様々な研究があります。予防効果があったとする研究やなかったとする研究など様々です。これらをまとめて関係があったかなかったかを調べるメタ解析の結果からも、結論ははっきりとはしていません。また、混合栄養児が母乳を増やす事でアレルギーが予防できるという証拠もはっきりしません。母乳栄養のみに過度にこだわる必要はないと考えられます。

小児科 川本典生