サルコーマとは、日本語で"肉腫"のことであり、肉腫というのは内臓や皮膚、血液以外の悪性腫瘍、具体的には、脂肪や筋肉、神経、血管、骨といった組織から発生する悪性の腫瘍のことで、悪性骨軟部腫瘍ともいわれます。これらの組織は体中どこにでもあるため、肉腫は体中どこでも発生することになります。皆さんに聞きなじみがないように、非常にまれな腫瘍であり、専門的に扱うことのできる施設や医師は限られており、特に日本整形外科学会が認定する、骨軟部腫瘍医という資格をもっているのは全国で200人ほどしかおりません。
肉腫は体中どこでもできるため、患者さんはいろいろな科を受診することになります。一方で非常にまれであるため、診察する医師も不慣れであることが多く、専門施設に受診した時にはすでに病気が進行していることが多いとされます。そのような状況を改善するためにこの度、サルコーマセンターを立ち上げることになりました。当院で肉腫治療をおこなっていることを、広くお伝えすることで、早期に当院にご紹介や受診をいただけるようになれば、治療成績の向上が期待できます。気になる腫瘍があればいつでもご相談ください。

特徴・特色

当センターでは認定骨・軟部腫瘍医の資格をもつ、肉腫治療を専門に行っている整形外科医師を中心に、院内の様々な科と連携して患者さんに適切な治療を行っております。肉腫は体中どこでもできるため、特に内臓周囲にできた腫瘍に対しては消化器外科、泌尿器科と連携して手術を行います。抗がん剤治療に関しては腫瘍内科と、診断や治療に放射線を用いる場合はIVR科、放射線治療科と連携しますし、小児の患者さんの場合は小児科と連携しています。病院全体が一丸となって診療に当たる必要があるのが肉腫治療です。当院ではこれまでも、様々な科と密に連絡を取り合って治療を行ってきた実績があり、どの年齢でも、どの部位でも適切な治療を提供いたします。
また、当院で行えない重粒子線治療や陽子線治療も、他施設との連携が可能であり、速やかに治療をお願いすることができる体制となっております。

参考）日本整形外科学会認定骨・軟部腫瘍医名簿：
https://www.joa.or.jp/public/speciality_search/bone.html
岐阜大学医学部整形外科HP：
https://www.hosp.gifu-u.ac.jp/origin/seikei/