肝がん・胆道がん・膵がんセンター

hepato biliary and pancreatic cancer center

肝がん・胆道がん・膵がんセンター

hepato biliary and pancreatic cancer center

肝・胆道・膵臓領域のがんは、診断・治療が難しいがん種と考えられています。一般病院における通常の検査では発見が難しいことも多く、さらに病状が進行するまで症状が出現しないために発見が遅れることがみられます。これらが予後不良である原因の一つと考えられています。また、この領域の手術は合併症率も高く、消化器外科手術の中でも高難度の手術とされています。
この難治がんに対して立ち向かうため、令和7年度に各領域の専門家が集まり、肝がん・胆道がん・膵がんセンターが設立されました。当センターでは消化器内科・消化器外科・放射線科・病理部など各診療科の専門医が協力し、迅速な診断を行い、効果的な集学的治療を円滑に進めることを目標としています。

特徴・特色

肝がん・胆道がん・膵がんの初期治療には大きく分けて、手術、放射線療法、化学療法があります。当院の消化器外科では高難度の手術だけでなく、低侵襲(からだの負担が少ない)な腹腔鏡手術やロボット支援手術も積極的に行っています。

放射線治療においては、がんの進行を抑える、または症状を緩和する目的で、高精度の放射線治療機器を活用して、侵襲の少ない治療を行っています。消化器内科では、胆道がん、膵がんに対して、EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)やERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)などの内視鏡検査による迅速な組織学的診断を行い、がんによる閉塞性黄疸や胆管炎など様々な症状に対しても低侵襲な内視鏡的治療を積極的に実施しています。肝がんにおいては、RFA(経皮的ラジオ波焼灼術)やTACE(肝動脈化学塞栓療法)などの血管内治療が行われています。化学療法では、腫瘍内科医と連携し、先端のエビデンスに基づいて様々な抗がん剤を用いた全身化学療法を行うとともに、がん遺伝子パネル検査を利用したゲノム医療も実施しています。

また、治療を行う中で、がんによる症状や治療の副作用で悩まれる方も少なくありません。当センターにおいては、それらの症状に対する適切な支持療法を行い、緩和ケアチームとも連携し、初期の段階から症状緩和に努め、患者さんの苦痛を少しでも取り除くことを目指します。
肝がん・胆道がん・膵がんの診療においては、これらを組み合わせた集学的な診断と治療が必要になります。当センターでは各診療科が合同でカンファレンスを定期的に行い、連携することで、質の高い医療を提供できるよう尽力しています。