消化管がんセンターは、消化器内科清水雅仁教授および消化器外科・小児外科松橋延壽教授を中心に様々な消化管がんを扱う診療科で構成されています。

消化管がんとは食道、胃、小腸、大腸などに発生するがんを指し、当センターはその診断、治療、研究を専門とし、患者さんに医療を提供します。外科、内科、腫瘍内科、放射線科、病理診断科、薬剤部、看護部など、さまざまな専門分野の医師や医療スタッフが密接に連携し、患者さん一人ひとりに適切な医療を提供しています。内視鏡検査による早期発見、内視鏡治療（EMR,ESDなど）、低侵襲手術（腹腔鏡手術、ロボット支援手術）、化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を推進し、先進的かつ個別化されたがん治療の実現に努めています。

また、地域医療機関との連携を通じた診療体制の強化や、がんに関する治験、臨床試験に加えて臨床研究・基礎研究の推進にも力を入れており、エビデンスに基づいた医療の開発、発展にも寄与しています。

さらに、次世代のがん専門医の育成や医療従事者への教育にも取り組み、地域と連携した総合的ながん医療の中核的存在として活躍しています。

特徴・特色

食道がん、胃がん、大腸がんは、内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）や内視鏡的粘膜切除術（EMR）において、全国的にも有数の症例数を誇ります。先端の内視鏡システムを用いた正確な診断と、低侵襲な治療法の提供により、患者さん一人ひとりに適切な医療を実践しています。

さらに外科領域においては積極的にロボット手術を導入しており、食道がん、胃がん、大腸がん領域においては東海地方では有数な症例数を誇ります。また全国規模の臨床試験や治験にも積極的に取り組んでおり、SCRUM JAPAN（GI SCRUM,MONSTAR Trial 1,2,3）、JCOG、JACCROなどの多施設共同研究に参加し、新たな治療法の開発に貢献しています。この成果はNature Medicineなど国際的医学雑誌にも共同研究者として報告しています。

消化器外科は特にStageIV消化器がんに対するコンバージョン手術や、ゲノム医療を活用した個別化治療の研究を進めており、多数の国際学会でも発表を行っています。今後は多くの国際共同研究、グローバル治験を含めた治療を岐阜県および全国の患者さんに提供できるようになります。

内視鏡的低侵襲治療、ロボットを含む低侵襲手術の推進、教育活動、消化器がん臨床および基礎研究活動を推進し、若手医師の育成においても、世界で活躍できる人材を育てていきます。