脳腫瘍センターでは、脳腫瘍に対する先進的かつ包括的な診療を提供しています。脳腫瘍は、良性のものから悪性のものまで多岐にわたり、それぞれに応じた適切な治療が求められます。当センターでは、先端の医療技術と設備を駆使し、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行っています。

良性脳腫瘍である髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫などに対しては、術前３次元シミュレーションや術中神経生理モニタリングを駆使しての、脳神経機能温存を前提とした手術による全摘出を目指し、必要に応じて定位的放射線治療を併用しています。
一方、悪性脳腫瘍に対しては、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた集学的治療を実施しています。特に、術前のMRIやPET検査を用いて、運動野や言語野などの重要な脳機能部位と腫瘍との関係を詳細に評価し、術中には覚醒下手術・ニューロナビゲーターや神経刺激装置を活用して、神経機能を温存しながら、蛍光診断法も駆使しての最大限の腫瘍切除を行っています。また、腫瘍制御の向上のための術中光線力学療法も積極的に行っています。

さらに、脳神経外科では悪性脳腫瘍に対する新しい免疫療法の研究も進めています。特定のサイトカインを用いて、腫瘍と戦う能力のある細胞の機能を高め、腫瘍の増殖を抑制する試みを行っています。これにより、悪性脳腫瘍の生存期間を延長させることを目指しています。 当センターは、これらの先進的な治療と研究を通じて、脳腫瘍患者さんのQOL向上と社会復帰を全力でサポートしています。