研究・業績

臨床研究や基礎研究など、様々な視点を生かしながら、
明日の臨床に役立つことを願って研究活動をしています。

研究概要

臨床研究

1. 遷延性術後痛

開胸手術後の術後痛の遷延化を亜急性期から介入することにより減少させることが出来ることを明らかにした(吉村)。現在、他大学と協力して肺・膝関節術後の痛みを後ろ向きに検討し、遷延性術後痛の発症率と危険因子を明らかとした。今後は前向き調査を行いより詳細に危険因子を検討する予定(代表:杉山)。

2. オピオイド感受性と遺伝子多型

岐阜薬科大学と共同でオピオイドに対する感受性と遺伝子の関連を検討している。将来、オピオイド少量投与に対する反応からオピオイド感受性が簡単に推測でき、治療方針の決定に寄与できることを目標としている(杉山)

3. MEP施行手術の麻酔方法

現在MEPを行う手術では静脈麻酔が主流である。しかし、吸入麻酔薬であっても十分にMEPは描出され得ることを示してきた。脊椎・脊髄外科手術を対象とし、特に長時間の手術においてはMEPの経時的評価にあたり静脈麻酔薬よりも吸入麻酔薬が優れているのではないかと考え実証しようとしている(福岡)

4. その他

ペインクリニック外来、周術期ともに日常のちょっとした疑問から様々な研究を行っている。

基礎研究

1. 脳循環

cranial window、spinal windowを用いて脳脊髄の血管を直接観察する手法を確立し、各種薬剤の影響や様々な状態変化に伴う脳脊髄血管の変化を報告してきた。現在は、高血糖が脳血管に及ぼす影響とその機序や、高血糖に対する脳血管の反応に麻酔薬により差があるかどうか(鬼頭和裕、阪田)を検討している。

2. 基礎研究

薬理学教室と共同で血小板、アストロサイトの機能とその細胞内情報伝達を研究、これまで様々な報告を行っている。
血小板:術前の禁煙や抗血小板薬休薬が血小板機能に与える影響とその機序の検討(飯田祐子、大沼)
アストロサイト:脳虚血時にアストロサイトから産生されるサイトカインの産生・遊離機序と麻酔薬がそれに与える影響とその細胞内情報伝達の解明(田辺)

当教室では臨床研究、基礎研究ともに他分野、他施設との共同研究に積極的に参加したいと考えています。気軽に声をおかけください。