プログラムの目的

眼科疾患は小児から高齢者まで幅広い年齢層が対象で、内科的治療だけでなく外科的治療も必要とし、幅広い医療技能の習得が求められています。岐阜大学眼科領域専門研修プログラムでは、以下の眼科医の育成を目指します。

  • 一般眼科学に精通し、専門性の高い眼科治療にも対応できる眼科医
  • 一般診療所の医師のみならず総合病院の眼科医としてやっていけるだけの必要かつ十分な技術を身につけ、将来地域で活躍できる眼科医
  • 診療技能のみならず、学会発表や論文作成を通じて科学的に思考できる眼科医

指導医と専門領域

専門研修基幹施設:岐阜大学医学部附属病院
(年間 内眼手術820件、外眼手術42件、レーザー手術120件)

岐阜大学医学部附属病院では、幅広い分野の紹介患者があり、令和元年の手術件数は、網膜硝子体136件、白内障308件、緑内障369件など眼科専門医が研修すべき、ほぼすべての手術を施行しています。専門外来あるいは担当医(専門外来:緑内障、網膜硝子体・ぶどう膜)をローテーションします。研修方法は、眼科病棟および外来診療を行います。

各プログラムの疾患の基本について研修を行い、基本的検査、診断技術および処置を習得し、それぞれのプログラムの到達目標を目指します。毎週行っているカンファレンスにも参加します。他科との連携委員を中心に、あらゆる全身疾患に関わる眼症状も研修します。また、学会報告や論文作成の機会も豊富にあります。当院での研修期間中は、こうした活動の機会を得やすいよう配慮しています。

専門研修連携施設

Aグループ基幹型臨床研修病院 地域の中核病院

日本眼科学会指導医もしくはそれに準ずる指導医が在籍し、年間手術件数500件以上の病院

  • 岐阜県総合医療センター(年間 内眼手術714件、外眼手術45件、レーザー手術141件)
  • 岐阜市民病院(年間 内眼手術451件、外眼手術27件、レーザー手術111件)
  • 大垣市民病院(年間 内眼手術754件、外眼手術69件、レーザー手術586件)
  • 松波総合病院(年間 内眼手術840件、外眼手術173件、レーザー手術133件)

Bグループ協力型臨床研修病院 日本眼科学会専門医が在籍し地域医療を担う病院

  • 市立美濃病院(年間 内眼手術168件、外眼手術76件、レーザー手術32件)
  • 羽島市民病院(年間 内眼手術25件、外眼手術15件、レーザー手術96件)
  • 西美濃厚生病院(年間 内眼手術200件、外眼手術38件、レーザー手術108件)
  • 清水厚生病院(年間 内眼手術113件、外眼手術32件、レーザー手術46件)
  • 揖斐厚生病院(年間 内眼手術46件、外眼手術3件、レーザー手術61件)
  • 中濃厚生病院(年間 内眼手術192件、外眼手術23件、レーザー手術116件)
  • 平野総合病院(年間 内眼手術335件、外眼手術43件、レーザー手術21件)

関連病院

  • 県立下呂温泉病院(非常勤)(僻地医療)
  • 木曽川市民病院(常勤)
  • 岐北厚生病院(非常勤)

募集定員:各学年12人 合計48人/4学年 指導医の合計17人
(指導医1名につき3名までの専攻医の指導が可能と考えると、指導できる専攻医数は17×3÷4=12.8となり、1学年約12名専攻医募集が可能となります。専攻医受入れは、全体(4年間)で専門研修施設群に在籍する指導医1人に対し、専攻医3人を超えないように調整します。)専門研修施設群合計は内眼手術4,658件、外眼手術586件、レーザー手術1571件、全体で6,815件なので、執刀者、助手合わせて4年間で100例(そのうち内眼手術、外眼手術、レーザー手術がそれぞれ執刀者として20例以上)には十分な診療実績と考えます。

プログラム概要

岐阜大学眼科領域専門研修プログラムでは、専門研修基幹施設である岐阜大学医学部附属病院と、地域の中核病院群(Aグループ:岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、大垣市民病院、松波総合病院)、および地域医療を担う病院群(Bグループ:羽島市民病院、市立美濃病院、西美濃厚生病院、中濃厚生病院、揖斐厚生病院、清水厚生病院、平野総合病院)、関連病院計12の研修施設(年間手術合計 内眼手術4,658件、外眼手術586件、レーザー手術1571件)において、それぞれの特徴を活かした眼科研修を行い、日本眼科学会が定めた研修到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験します。

4年間の研修期間中、1年目か2年目のどちらかを専門研修基幹施設で研修します。1年目は岐阜大学医学部附属病院かAグループの病院群のいずれかで研修を行います。Aグループの病院群は症例数が豊富で、救急疾患も多く扱う病院群です。地方大学医学部附属病院では、希少疾患や難病を経験し、内眼手術の件数、指導医も多いのでこの期間に手術手技の基本を習得します。2年目以降はAグループ、Bグループ、場合によっては岐阜大学医学部附属病院で研修します。
Aグループを選べば、やや高度な手術をより多く経験することが可能になります。Bグループを選べば、common diseaseをより多く経験することができます。岐阜大学医学部附属病院を選べば、眼科内のより専門領域に特化した研修が可能となります。A、Bグループの病院に勤務しながら、岐阜大学の社会人大学院に進学し、診療・研修を行いながら研究を行うことも可能です。専攻医の希望になるべく沿ったプログラムを構築しますが、いずれのコースを選んでも最終的に研修到達目標に達することができるようにローテーションを調整します。また、専攻医間で格差がつかないような工夫もします。

研修の週間計画

専門研修基幹施設:岐阜大学医学部附属病院

(8:30〜) 午前(9:00〜12:00) 午後(12:00〜17:00) (17:30〜18:00)
月曜日 外来 外来、手術
火曜日 外来 外来、手術 術前症例カンファレンス
水曜日 手術 手術
木曜日 病棟回診 外来 外来
金曜日 外来 外来、手術