教授挨拶

松橋 延壽

松橋 延壽

平成8年 3月
大阪医科大学医学部医学科 卒業
平成16年 4月
岐阜大学大学院医学研究科外科系専攻博士課程 修了
平成17年 3月
岐阜大学医学系研究科救急災害医学分野 助手
平成18年 7月
岐阜県総合医療センター外科 医長・救命救急センター部長代理
平成24年 1月
岐阜大学医学系研究科腫瘍外科学分野 医員
平成24年 4月
岐阜大学大学院医学系研究科がん先端医療開発学講座 特任講師
平成25年 4月
岐阜大学大学院医学系研究科がん先端医療開発学講座 特任准教授
令和元年 10月
岐阜大学医学部附属病院消化器外科 准教授
令和4年 1月
岐阜大学大学院医学系研究科消化器外科・小児外科学 准教授
令和4年 9月
岐阜大学大学院医学系研究科消化器外科・小児外科学 教授

私 松橋延壽は2022年9月1日付で岐阜大学大学院医学研究科 医科学専攻外科学講座 消化器外科・小児外科学分野の教授に着任致しました。

当科旧第2外科は昭和31年初代教授に竹友隆雄教授(京都大学出身)が就任され、その後昭和50年2代目に設立当初から御尽力された坂田一記教授(京都大学出身)が引き継がれました。それまでは当科では一般外科に加えて小児外科および脳神経外科も行われており、昭和55年に脳神経外科(初代教授:山田弘教授)が第2外科から分離されることになり、昭和63年3代目は佐治重豊教授(岐阜大学出身)が就任されました。小児外科、一般外科から本格的に腫瘍外科(消化器外科・乳腺外科)の教室と変化していくことになりました。
私自身は平成8年に佐治重豊教授の時代に入局させて頂き、医師として外科医としての基本的心構えと拡大手術・郭清、そして手術だけなく外科医としてのArt&Scienceの重要性を教えて頂きました。平成15年には4代目教授として安達洋祐教授(九州大学出身)が就任されました。その当時としては新鮮であったEvidence Based Medicineという考え、さらに学生および研修医教育への情熱を教えて頂きました。平成19年には5代目教授として吉田和弘教授(広島大学出身)が就任されました。私自身は平成24年、1月大学に帰局して以来、臨床試験の重要性および多くの手術(腹腔鏡手術、ロボット手術)機会を与えて頂き、さらには医師としてだけでなく、人生観、目的設定とそれに向かうためプロセスなど多くの物事に対する考え方を教えて頂き、私自身の今があると思っています。吉田和弘教授が令和4年3月に退任され、同年4月東海国立大学機構岐阜大学長に就任されることになり、後任教授として令和4年9月6代目消化器外科・小児外科教授として私、松橋延壽が就任し、現在は教室の診療・研究・教育の指導を行っています。

私が専門とする大腸がん領域では腹腔鏡手術は95%を占めるようになり、最近では直腸がんだけでなく結腸がんにおいてもロボット手術が保険収載となったため大腸がん領域においてはロボット手術への移行となる大きく変革の時代に差し迫っています。私自身においては日本内視鏡外科学会 ロボット支援手術プロクター(直腸)の資格を一早く有しており、現在積極的にロボット手術を実施しております。また胃がんにおいても同様に行っていますが、今後は膵臓がん、食道がんにおいても導入して消化器外科全般にロボット手術を先駆的行って参ります。

さらに今までに多くの全国規模の臨床試験を経験しており、外科教室でありながら腫瘍学的知識を持ち合わせていることが岐阜大学の最大の強みであり、全国外科教室としては数少ないゲノム医療にも関わることができる重要な拠点病院として岐阜地域のために発展していきたいと考えています。そのためには基礎医学は重要と考えており若い医局員にはBasic Scienceをしっかり勉強してもらい、外科医として見識の深さの重要性を教えていきたいと思っています。そのためにも足元をしっかり見つめて地道な研究を行いながらも、岐阜から世界へ外科学の新たなエビデンスを医局員と共に切磋琢磨しながら創出し、医学界に貢献したいと思います。

さらに地域医師偏在化に伴い、外科医不足も昨今大きな話題となっています。岐阜地域に求められる救急医療、緩和医療にもしっかり対応できる幅広い一般外科医もしっかり育て地域貢献できるジェネラリスト(General Surgeon)と各臓器別における専門職の高いスペシャリスト(Special Surgeon)などダイバーシティの人材を育てて参ります。

最後に【医は仁術】という言葉がありますが、令和の時代においては死語になっているかもしれません。しかし私自身は医師という仕事は聖職であり、素晴らしい職であることを信じており、このことをしっかりと伝えていきたいと思っています。私の使命は医学部生および研修医には魅力ある医師そして外科医像を伝え、その意志を共感できる仲間を増やしていくことであると思っています。そして医局員には社会的使命の自覚を持たせ、人として和を尊重し、謙虚である姿勢とともに、医学への好奇心をいつまでも持ち続けられる魅力ある外科医として育て上げる教室を作ることであり、消化器外科、小児外科、乳腺外科に多くの人材を残すことに邁進して参りたいと思います。

岐阜大学大学院医学系研究科 医科学専攻外科学講座 消化器外科・小児外科 教授
松橋 延壽