脳卒中センター

下畑 享良
センター長
下畑 享良
榎本 由貴子
副センター長
榎本 由貴子

脳卒中はわれわれ日本人の国民病とされており、超高齢社会の到来によりその患者数は150万人を超え、年々増加しています。また、脳卒中は寝たきりとなる原因の第一位であり、その予後を改善することは社会的にも重要であると言えます。
脳卒中のうち、くも膜下出血や脳出血については以前から外科的手術等が行われてきましたが、最近では血管内手術や内視鏡手術などの低侵襲治療が普及し、予後が改善されつつあります。一方、脳梗塞についても2005年に点滴によって血栓を溶かすアルテプラーゼ(t-PA)静注療法、2010年にはカテーテルを用いて血管を再開通させる機械的血栓回収療法が認可され、これまでは重症化して予後不良と言われていた内頚動脈や中大脳動脈などの頭蓋内主幹動脈急性閉塞であっても、時間さえ間に合えば、ほぼ100%再開通が得られるようになっています。ただし、治療開始が30分遅れると予後不良の患者さんが10%増えることがわかっており、顔面の歪みや上肢の麻痺、言語障害の症状出現後、一刻も早く病院を受診していただくと共に、病院に到着後いかに早く診断して治療を開始するか、治療後いかに早くリハビリを開始し、再発を予防するかが重要となっています。

そのため岐阜大学医学部附属病院では脳卒中センターを設置し、脳神経内科と脳神経外科、救急科の医師と看護師、理学・作業・言語療法士がチームを組んで脳卒中患者の急性期治療に当たっています。前日の入院症例を中心に月〜金曜日まで毎日朝8時から、脳神経外科と脳神経内科の担当医による脳卒中症例カンファレンスをおこなっています。患者さんは重症度によってACCCと西6階病棟に設置された6床の脳卒中患者専用病床(ストロークユニット:SU)で受け入れて治療をおこない、薬剤師、栄養士、医療ソーシャルワーカーが加わって急性期から回復期へのシームレスな医療連携の手助けをおこなっています。

当院には脳卒中、脳神経外科、脳神経内科、脳神経血管内治療の専門医が全て3名以上常勤で在籍しており、アルテプラーゼ(t-PA)静注療法、機械的血栓回収療法、脳卒中の外科治療を365日24時間実施することのできる体制ができています。通常の外来診療は脳神経外科外来と脳神経内科外来で対応し、脳卒中センターは急性期医療に特化して高次救命治療センター(救急科)との協働のもと救急患者の受け入れを行います。患者紹介やお問い合わせには医師専用のホットライン(058-230-6270)をご利用ください。

方針

・脳卒中の患者さんに最新・最善の医療を提供します。
・急性期医療と早期リハビリテーション、再発予防を目指します。
・将来を担う若手医師や看護師等を育成します。
脳卒中センター

方針

・脳卒中の患者さんに最新・最善の医療を提供します。
・急性期医療と早期リハビリテーション、再発予防を目指します。
・将来を担う若手医師や看護師等を育成します。
脳卒中センター